第五話:現れた謎のギタリスト

第五話:現れた謎のギタリスト

翌朝、ぼんやりした意識の中目が覚めると、昨日の出来事がニュースになってテレビに報道されていた。

「前代未聞の事態です!人気ロックバンド、シエルのライブ後のインタビューに、一般人の男女2人が突然乱入し、「私達はお前達を超えるバンドになってみせる」と言い放ち、会場を後にしました!今日本の音楽業界は、混乱の相を呈しています!」

…ああああああああああ!!!!!

なんで俺は昨日あんな事をををををおおお!!!

今更だが、とんでもない不安感が襲ってきた。

この先俺はどうなるんだろう…

「ライカーーー居るーーー?」

そこへその不安の元凶である女、リアが玄関をノックしてきた。

「ああ、居るよ…入ったら…」

「おじゃましまーーす!」

勢いよく玄関をこじ開けてきた。

「なんでお前はそんなに元気でいられるんだよ…昨日あんな事があったくせに…」

こいつの神経がこの世で1番の謎だ。何故あんなに平然としていられるんだ。

「だってそんな状況、すぐに変わるんだもん。

さっまずはバンドメンバー集めよ!」

「ええ、この状況でそんなすぐに集まるわけ…」

「もうオファー来てるの!面接いこっ!」

「そんなバカな!」

この状況で俺たちとバンドが組みたい物好きが本当にいるのか!?

「で、どんなやつなんだそいつは」

「めちゃめちゃギターが上手くてかっこいい人!!」

「アバウトだな!」

まあ、せっかくだし会ってみるか。

「まあ、とりあえず会ってみるか」

「入って来てーリク!」

「お邪魔しまーす」

「て居るんかい!」

リアにリクと呼ばれた男は身長は俺より高い。180cmはあるかな。金髪で、どこか外国人のような顔立ちをしている。

「へえー君がライカか、思ったより小さいね」

「うるさいな!お前がデカ過ぎるんだよ!」

「はっはっは」

いきなり失礼なやつだな。俺はそんなに低くはないはずだぞ。日本人としてはだけど。

「ねえライカ、とりあえず歌ってよ」

「…ああ、いいぜ」

リアに促され、俺は自宅にあるマイクを掴む。

「じゃあ僕は、ギターやるね」

リクは、おもむろに背負っていたギターを取り出し、手馴れた手つきでチューニングをし始めた。「曲は何にするの?」

リクが尋ねる。そうだな、やっぱりあの曲かな…

「sun」

「ライカ…」

そう、sunはかつて俺たちが初めてデビューした時の曲なのだ。やっぱり最初はあの曲が良いな。

「じゃあ、行くよ」

俺は歌い出した。その瞬間、リアが何故か泣き始めた。

「やっと…始まるんだね…」

そのメロディーはまるで太陽のように眩しく、聴く人の心まで明るく照らすようだった。そう、このメロディーはヒデトが作ったんだよな…

「流石に上手いね、ピメヴァが構う訳だ」

「えっなんだって?」

「いや、なんでも」

リクが何か言った気がしたが、俺の歌は奴のお眼鏡にはかなったようだった。

「それじゃこれから宜しく、ライカ

リクが手を差し出してきた。俺は手を出し、握手をした。

「ああ、確かに上手いんだな。リク、宜しく頼むよ」

「じゃあ決まりね!」

リアが嬉しそうに俺たちの握手に手を合わせてくる。

「これで後はベースとドラムが見つかれば、バンド組めるね!」

「ああ、早く見つけねーと…」

俺は静かにシエルを超える決意を更に固めた。